以下は、現実に限りなく近いフィクションです。

「うっ!?、立てない。」

腰に激痛が走り、その場に倒れ込んだ。
一月ほど前に腰を痛め、だましだまし動かしていたのだが、ここに来て限界が来たようだった。
その時Yの脳裏に浮かんだのは3日後に控えた東京都大会のことだった。
「・・・今回は棄権しよう・・・」
大会どころの話ではなかった。
会社に連絡を入れ、休みを取った。
まる2日横になり、ようやく動けるようになった。

大会の日。
とりあえず腰をコルセットで固定し、会場に向かった。
相方ととして出場予定のMさんに謝りを入れた。

「無理はしないでいいよ。」

あたたかい言葉だった・・・。

・・・せっかく会場に来たんだからどこまでやれるかやってみよう!
Yの心は決まった!!

試合が始まる。

普段なら大きく突っ込むところだが、痛みが来ないように抑えないといけない。
激痛に耐えつつ、我慢の演武が続く。

意に反して・・・快進撃が始まる。
今までなかなか勝てなかったのに...
そうか、腰に無理が出来ない分基本に戻ったのが良かったのか!?

準決勝の相手は日本武道館の常勝ペア、今まで一度も勝ったことが無い。でも今は自分に出来る精一杯をしよう。
最後の乱合が終わる・・・

赤3本の旗が上がった!完勝だ!!

そして決勝戦・・・

既に、無心無欲の演武にこわいものはなかった。
ここまで来れたのが僥倖というものである。
そして・・・優勝。

Yにとって優勝と一緒に大きなものを得た大会であった。



えーと、Y先生優勝記念です。
本文は友人A氏のメール。芸が細かいなあ。
Y先生、おめでとうございます・・


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